「食欲が止まらない…漢方で抑えられる?」「ストレス食いに効く漢方は?」と悩んで調べている方も多いでしょう。
漢方薬には、食べすぎや便秘をともなう肥満症、ストレスによるイライラなどに使われるものがあります。ただし、食欲を抑えることを承認された効能とする漢方薬はありません。
この記事では、漢方と食欲の関係、食欲が止まらない原因と受診の目安、食欲に作用する処方薬(GLP-1受容体作動薬など)との違い、市販の漢方を使うときの注意点を、医師の監修のもとで解説します。
【監修医師】与那覇 靖(URARAクリニック 統括院長)
浜松医科大学卒業。日本内科学会・日本抗加齢学会・日本肥満症治療学会所属。
安全のため、以下に当てはまる方はサービスを提供できないことが多くございます。何卒ご留意ください。
18歳未満75歳以上/BMIが18.5以下/がん/心疾患/肝疾患/腎疾患/妊娠中/授乳中/産後3ヶ月以内の方
食欲を抑える漢方はある?

結論:日本国内の医療用・市販の漢方製剤で、「食欲抑制」を承認された効能・効果として掲げるものはありません。肥満症を効能に含む漢方製剤はありますが、食欲を抑える目的で自己判断で使うことはおすすめできません。
インターネットでは「防風通聖散で食欲が落ちた」といった声も見かけますが、防風通聖散の効能は「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」の肥満症などで、食欲を抑える薬ではありません。
服用後に食欲が落ちても、期待する効果とは限りません。胃の不快感や吐き気などの副作用が原因のこともあります。食欲不振が続く場合は服用をやめて相談し、強いだるさや黄疸などをともなう場合はすぐに受診してください。
漢方で痩せるのかという全体像は、漢方で痩せるかを解説した記事で解説しています。
肥満症や、ほかの症状に漢方が処方される場合

防風通聖散(ツムラ62番)は、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症などに使われます。大柴胡湯(ツムラ8番)や加味逍遙散(ツムラ24番)は、それぞれの承認された効能と診察でわかることに基づいて処方される漢方です。
「ストレス食いだから」という理由だけで、これらの漢方が合うとは判断できません。イライラや更年期の不調を治療することと、食べすぎを減らすことは別のことです。
食べるのを止められない状態が続くときは
食べる量を自分でコントロールできない状態をくり返し、強い苦痛がある場合は、むちゃ食い障害などの摂食障害が関係していることがあります。食後に自分で吐く、下剤を乱用する、極端な絶食や過剰な運動をするといった場合は、神経性過食症なども考えられます。体重にかかわらず、心療内科や精神科に相談してください。
食欲が止まらないときは、原因と受診の目安を確認

漢方を考える前に、食欲が止まらない原因を見直すことも大切です。
| 原因 | 内容 | 見直しのポイント |
|---|---|---|
| 睡眠不足 | 空腹感や食べる量の増加と関係することがある(食欲に関わるホルモンの変化を報告した研究もあるが、結果は一貫していない) | 生活リズムを整え、自分に必要な睡眠時間を確保する |
| ストレス | ストレスで甘いものや脂っこいものが欲しくなることがある | 食べる以外の気分転換を用意する |
| 食事を抜く・極端な食事制限 | 空腹の時間が長いと、次の食事で食べすぎやすい | 3食を決まった時間にとる |
| 早食い | 満腹を感じる前に食べすぎてしまう | よく噛み、1食20分以上かけて食べる |
| 生理前 | ホルモンの変化で食欲が増えることがある | 生理周期に合わせて間食の内容を工夫する |
原因ごとの対処法は、次の記事でも詳しく解説しています。
食べる量が増えているのに体重が減る、動悸・手のふるえ・暑がりが目立つ場合は、甲状腺機能亢進症などが考えられます。強いのどの渇き、水をたくさん飲む、尿が多い、意図しない体重減少は糖尿病でもみられるため、早めに内科を受診しましょう。これらに吐き気・嘔吐、腹痛、意識がぼんやりする、深く速い呼吸などをともなう場合は、すぐに救急を受診してください。
食欲に作用する処方薬(GLP-1など)と漢方の違い

医療機関では、食欲や胃の動きに作用する薬が使われることがあります。漢方薬とは、仕組みも根拠の積み重ねも異なります。
| 漢方薬 | ウゴービ・ゼップバウンド(肥満症の治療薬) | |
|---|---|---|
| 食欲への作用 | 「食欲抑制」を承認された効能とする漢方はない | ウゴービはGLP-1受容体作動薬、ゼップバウンドはGIP/GLP-1受容体作動薬で、食欲や食べる量の調節などに作用する |
| 肥満症に対する承認 | 防風通聖散・防已黄耆湯などは効能に肥満症を含む | 肥満症の治療薬として承認。使えるのは承認された条件を満たす方だけ(下記) |
| 主な副作用 | 下痢・動悸・むくみなど(生薬による)。重大な副作用もある(頻度不明のものを含む) | 吐き気・下痢・便秘など。急性膵炎・胆のう炎・腸閉塞・低血糖などの重大な副作用に注意 |
| 使い方 | 内服(顆粒・錠剤) | いずれも週1回の皮下注射 |
ウゴービとゼップバウンドは、食欲が気になる人なら誰でも使える薬ではありません。肥満症の治療では、食事療法・運動療法で十分な効果が得られず、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかがあり、さらに「BMIが27以上で肥満に関連する健康障害が2つ以上」または「BMIが35以上」といった条件を満たす必要があります。保険診療では、これとは別に医療機関や医師の要件、それまでの治療の条件などがあります。GLP-1関連の薬には糖尿病治療用の内服薬もありますが、承認された効能は製品ごとに違います。
また、マジンドールは、食事療法・運動療法で十分な効果が得られない高度肥満症(肥満度+70%以上、またはBMI35以上)の方に、補助として使われる食欲抑制薬です。投与期間はできるだけ短く、最長3か月までで、1か月以内に効果がなければ中止します。依存性や肺高血圧症などのリスクがあり、不眠や動悸などにも注意が必要です。
どの薬が使えるか、漢方と一緒に使ってよいかは、持病や飲んでいる薬を含めて医師が判断します。薬を併用した場合に効果が上乗せされるか、安全かどうかは、十分に確かめられているとは限りません。
※GLP-1受容体作動薬などは、製品によって承認された効能・効果や対象となる方が異なります。糖尿病の治療用として承認された製剤を減量目的で使う場合や、肥満症の治療用の製剤を承認された対象・用法から外れて使う場合は、適応外使用にあたります。美容目的の減量は保険適用外で、美容目的などの適応外使用による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度では原則として救済の対象外です。
URARAクリニックの公式LINEでは、カウンセリングのご予約やご相談を受け付けています。
市販の漢方で食欲を抑えたいときの注意点

- 食欲が抑えられるか試す目的で飲み続けない:「食欲抑制」を効能とする市販の漢方はありません。製品の効能・効果と、使ってよい人の条件を確認しましょう
- 効果を判断する目安:承認された症状に使う場合も、説明書に書かれた期間で改善しなければ服用をやめて相談する(便秘については1週間ほどを目安とする製品もある)
- 甘草を含む漢方を重ねない:甘草の量が増えると、むくみ・血圧上昇・手足に力が入りにくい(偽アルドステロン症・ミオパチー)などが起こりやすくなる
- 麻黄を含む漢方(防風通聖散など):動悸・不眠・汗が多くなるなど
- 大黄を含む漢方(防風通聖散・大柴胡湯など):下痢・腹痛など(大柴胡湯に麻黄は含まれません)
- 山梔子を含む漢方(防風通聖散・加味逍遙散など):長く飲み続けた場合に腸間膜静脈硬化症(腹痛・下痢・便秘・お腹の張りをくり返す)が報告されている
- 持病がある方・ほかの薬を飲んでいる方・妊娠中や授乳中の方:飲み始める前に医師や薬剤師に相談する
漢方薬にも、肝機能障害・黄疸、間質性肺炎などの重大な副作用があり、発現頻度が不明なものもあります。空せき・息切れ・発熱、黄疸、強いだるさ、力が入りにくい、くり返す腹痛などが出たら、服用をやめてすぐに受診してください。
食欲のコントロールに悩んだら医師に相談を

食欲の悩みは、睡眠やストレス、食事のとり方、ホルモンの変化、病気など、原因が人によって違います。まずは原因を確かめることが大切です。食べることをコントロールできない、食後に吐くなどの症状がある場合は、摂食障害の評価・治療を優先します。体重管理の治療が適切かどうかも、診察で判断します。
URARAクリニックの『医療美痩身』では、全身の体重・体型の管理を目的に、診察の結果に応じて、栄養指導・漢方薬などの内服薬・注射薬・機器による施術の必要性を医師が判断し、組み合わせる複合治療をご提案しています(自由診療・効果には個人差があります)。
URARAクリニックの症例

症例No.00092|40代女性・164cm|58.5kg→55.3kg(−3.2kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント、NMNサプリ、漢方サプリ、プロテイン、医師の問診、栄養指導 症例の詳細を見る

症例No.00118|40代女性・148cm|72.2kg→69.2kg(−3.0kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント、NMNサプリ、漢方サプリ、プロテイン、医師の問診、栄養指導 症例の詳細を見る

症例No.00120|50代男性・168cm|73.0kg→69.4kg(−3.6kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント、NMNサプリ、漢方サプリ、プロテイン、医師の問診、栄養指導 症例の詳細を見る
治療期間の目安:3ヶ月程度(通院は月1〜4回程度)
※コース総額 97,000円〜1,812,000円(税込)。表示の月額は当社指定の信販会社をご利用した分割料金。詳細はカウンセリング時にご説明します。
副作用・リスク:赤み、ヒリヒリ感、稀に強いひりつきや水ぶくれ、知覚過敏、無感覚、内出血、じんましん、凍傷、施術後数日の痛みやしびれ、便秘、吐気、腹満、下痢、倦怠感、頭痛などの症状が出る場合があります。
※効果には個人差があります。
上の症例は、URARAクリニックの『医療美痩身』を実際に受けた方で、体重の変化は複合治療全体の結果です(漢方薬単独の効果を示すものではありません)。治療の内容・標準的な費用・主なリスクは、施術・料金のページとカウンセリングでご確認ください。
よくある質問

Q. 食欲を抑える漢方はありますか?
日本国内の医療用・市販の漢方製剤で、「食欲抑制」を承認された効能・効果として掲げるものはありません。肥満症を効能に含む製剤はありますが、食欲を抑える目的で自己判断で使うことはおすすめできません。
Q. ストレスによる過食に効く漢方はありますか?
過食を抑える薬として承認された漢方はありません。大柴胡湯や加味逍遙散は、それぞれの承認された効能と診察に基づいて処方される薬で、ストレス食いという理由だけで合うとは判断できません。食べるのを止められない状態が続く場合は、心療内科や精神科に相談してください。
Q. 防風通聖散は食欲を減退させますか?
防風通聖散の効能は、腹部に皮下脂肪が多く便秘がちな方の肥満症などで、食欲を抑える薬ではありません。
Q. お腹周りを痩せさせる漢方はありますか?
お腹周りだけを痩せさせる漢方薬はありません。防風通聖散は腹部に皮下脂肪が多い方の肥満症に使われますが、効果は人によって異なり、食事・運動の見直しが土台になります。
Q. 食欲を減退させる薬はありますか?
肥満症の治療薬(ウゴービ・ゼップバウンド)や、高度肥満症の方に最長3か月まで使われる食欲抑制薬(マジンドール)などがありますが、いずれも承認された条件を満たす方が対象です。副作用や保険が使えるかどうかも薬によって違うため、医師に相談してください。
Q. 市販の漢方で食欲は抑えられますか?
市販の漢方にも、「食欲抑制」を効能とするものはありません。食欲が抑えられるか試す目的で飲み続けず、製品の効能・効果と使ってよい人の条件を確認し、持病やほかの薬がある方は薬剤師や医師に相談してください。
Q. 食欲を抑える漢方は病院で処方してもらえますか?
医師が体の状態や持病、飲んでいる薬を確認し、必要と判断すれば漢方薬が処方されることがあります。美容目的の減量などは原則として保険適用外です。
Q. 食欲が止まらないのは病気ですか?
睡眠不足やストレスなどが関係する場合もありますが、甲状腺機能亢進症や糖尿病、摂食障害などが隠れていることもあります。食べる量が増えているのに体重が減る、強いのどの渇き・尿が多い、食べるのを止められないなどの場合は受診しましょう。
まとめ

日本国内の医療用・市販の漢方製剤で、「食欲抑制」を承認された効能・効果として掲げるものはありません。肥満症を効能に含む防風通聖散などはありますが、食欲を抑える目的で自己判断で選んだり重ねたりせず、医師や薬剤師に相談しましょう。
食欲が止まらないときは、睡眠やストレス、食事のとり方を見直すことが大切です。食べるのを止められない状態が続く、食べても体重が減るなど気になる症状があるときは、医療機関に相談してください。
URARAクリニックでは、医師が診察し、管理栄養士と連携しながら、一人ひとりの状態に合わせた全身の体重・体型管理『医療美痩身』をご提案しています。
まずはお気軽に無料カウンセリング予約をお申し込みください。ご自身のダイエット目的・健康状態に合わせたプランをご提案します。
記事の監修者

統括院長
20年以上にわたり、内科医として循環器や糖尿病患者の診療を担当してきました。疾病を予防するためには、肥満を克服することが極めて重要ですが、健康的な方法での体重減少は簡単なことではありません。痩身が実現できないかとの思いから、医療痩身の分野に足を踏み入れました。信頼性の高いエビデンスに基づいた新しい痩身メソッドの確立を目指し、『美痩身』を実現するために尽力しています。
人生100年時代における美容と健康に貢献すべく、医療技術及び健康への飽くなき探求を行い、”美と健康の医療的プロフェッショナル集団”であり続けるよう、日々邁進しております。ぜひご来院お待ちしております。
【経歴】
- 1992年3月 浜松医科大学卒業
- 1998年4月 名古屋大学医学部附属病院勤務
- 2000年10月 医療法人尚徳会ヨナハ総合病院勤務
- 2015年4月 医療法人尚豊会みたき総合病院勤務
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本人間ドック学会
- 日本抗加齢学会
- 日本再生医療学会
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