ココナッツオイルで体重が減ったという大きな差は確認できず、LDLコレステロールが上がる報告もあります。
「ココナッツオイルを摂ると痩せる?」「MCTオイルと同じ?」「コレステロールは大丈夫?」。ココナッツオイルダイエットを始める前に、多くの方がこうした疑問を持ちます。
この記事では、文部科学省の食品成分データベースと、ココナッツオイル・MCT(中鎖脂肪酸)の摂取を調べた複数の研究の論文要旨(PubMedの抄録)を確認し、効果の範囲、コレステロールへの影響、使い方、注意点、体重が動かないときの見直し方を、医師の監修のもとで解説します。
オリーブオイルとの違いはオリーブオイルダイエットの記事で、ナッツ類の脂質はナッツダイエットの記事で解説しています。この記事は、ココナッツオイルに絞った記事です。
【監修医師】与那覇 靖(URARAクリニック 統括院長)
浜松医科大学卒業。日本内科学会・日本抗加齢学会・日本肥満症治療学会所属。
安全のため、以下に当てはまる方はサービスを提供できないことが多くございます。何卒ご留意ください。
18歳未満75歳以上/BMIが18.5以下/がん/心疾患/肝疾患/腎疾患/妊娠中/授乳中/産後3ヶ月以内の方
結論|ココナッツオイルは「痩せる油」とは言えない。使うなら置き換えで

先に答えを書きます。ココナッツオイルダイエットについて、確認できた内容は次の3点です。
- 体重の差は、研究で結果が分かれ、いずれも小さなものでした。他の油脂と比べて0.75kg低かったという報告と、差は0.04kgで意味のある差ではないという報告があります
- エネルギーは、他の食用油と同じ水準です。食品成分表では100gあたり889kcal。オリーブ油の894kcalとほぼ同じです
- LDLコレステロールが上がる報告があります。他の植物油と比べ、10.47mg/dL高い結果でした。健診で脂質を指摘された方は特に注意が必要です
一方で、脂質異常症や心臓・血管の病気で通院している方、服薬中の方は、毎日の習慣として加える前に主治医へ相談してください。
また、減量が必要かどうかを先に確認することも大切です。BMIが18.5未満の方、成長期の方、妊娠中・授乳中の方、摂食障害が疑われる方は、体重を減らすことを目的にココナッツオイルを始めないでください。
ココナッツオイルのエネルギーは?|成分表で他の油と比べる

ココナッツオイルは、ココヤシの実からとった油です。文部科学省の食品成分データベースでは「やし油」と書かれ、100gあたり889kcalと示されています。
表1|油の種類とエネルギー(100gあたり)
| 油の種類(100gあたり) | エネルギー |
|---|---|
| やし油(ココナッツオイル) | 889kcal |
| オリーブ油 | 894kcal |
| なたね油 | 887kcal |
| 大豆油 | 885kcal |
文部科学省「食品成分データベース」(やし油・オリーブ油・なたね油・大豆油)の、可食部100gあたりの値です。商品ごとに異なるため、実際は栄養成分表示をご確認ください
やし油は889kcalで、オリーブ油(894kcal)、なたね油(887kcal)、大豆油(885kcal)とほぼ同じです。大さじ1杯を約12gとすると、約107kcal(本記事の計算)。毎日追加すると、1か月で約3,200kcalになります。
つまり、ココナッツオイルには、他の油よりエネルギーが低いという特別な点はありません。エネルギーの数字は、他の油と同じ水準です。
ココナッツオイルで痩せる?|2つのメタ解析で結果が分かれた理由

ココナッツオイルの摂取と体重を調べた臨床試験は、複数あります。ここでは、2023年と2025年に報告された、複数の試験をまとめた研究(メタ解析)を紹介します。
① 2023年のメタ解析(Swarnamaliら)
ココナッツオイルをバターや植物油など、他の油脂と比べた臨床試験9件を対象にしています。摂取期間は4〜12週が中心で、1件だけ2年間の試験が含まれます。結果は次のとおりです。
- 体重:他の油脂を摂った群より、0.75kg低い(ココナッツオイルで0.75kg減る、という意味ではありません)
- BMI:0.28低い
- 体脂肪率:0.35%低い
- 腹囲・ウエストヒップ比・脂肪量:有意な差なし
著者は、わずかながら統計的に意味のある差があった、としています。
② 2025年のメタ解析(Gaeiniら)
15件の臨床試験・620人をまとめた研究です。体重の差は0.04kg、BMIの差は0.01と、統計的には差があるとされましたが、著者は「臨床的に意味のある差ではない」と結論しています。腹囲には差がありませんでした。
表2|2つのメタ解析の体重の結果
| 研究 | 体重の結果 | 読み方 |
|---|---|---|
| Swarnamaliら(2023) 9試験・約550人 | 他の油脂より0.75kg低い | 小さな差。試験は4〜12週が中心 |
| Gaeiniら(2025) 15試験・620人 | 差は0.04kg。臨床的に意味のある差ではない | ほぼ変わらない |
| 共通する点 | どちらも、大きな差は示されていない | 食べるだけで痩せるとは言えない |
Swarnamaliら(2023)とGaeiniら(2025)の抄録をもとに、本記事が整理した表です。食べた量や期間は、試験ごとに異なります
2つの研究は結果の向きが食い違いますが、どちらも差は小さく、ココナッツオイルで体重が大きく動くことは示されていません。差が出た場合も、他の油脂と置き換えたときの比較であり、「食事に足せば痩せる」という意味ではありません。
この研究から言えないこと
- 食べるだけで痩せるとは言えません。研究は、ほかの油脂と置き換えた比較です
- すべての人に当てはまるとは限りません。対象や量は試験ごとに異なります
- 長期の結果は、ほとんどわかりません。
MCTオイルとは違う?|中鎖脂肪酸の研究と、ココナッツオイルの関係

ココナッツオイルは「MCTオイルと同じ」と説明されることがあります。MCTは、中鎖脂肪酸という、長さが中くらいの脂肪酸でできた油のことです。
MCTと体重の関係を調べた研究に、MummeとStonehouseが2015年に報告したメタ解析があります。
- 対象:成人の臨床試験13件・749人
- 比べたもの:MCT(中鎖脂肪酸のうち特定の2種類)と、通常の油(長鎖脂肪酸)
- 結果:MCTのほうが、体重が0.51kg低かった(95%信頼区間 −0.80〜−0.23)
著者は、通常の油をMCTに置き換えると、体重と体組成がわずかに減る可能性があるとしつつ、独立した研究者による大規模な研究で確かめる必要があると述べています。
ココナッツオイルの結果とは分けて考える
- この研究の対象は、C8:0とC10:0という特定の脂肪酸でできた油です。ココナッツオイルそのものの研究ではありません
- 結果は「通常の油の置き換え」で、0.51kgと小さな差です
- ココナッツオイルの結果は、前の節の2つのメタ解析で見たとおり、差が小さいか、ほぼありませんでした
そのため、「MCTの研究があるから、ココナッツオイルも痩せる」とは言えません。
コレステロールへの影響は?|LDLが上がる報告と、結果が分かれる点

ココナッツオイルは、飽和脂肪酸という、とりすぎるとLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を上げやすい脂肪酸が多い油です。実際に、Neelakantanらが2020年に報告したメタ解析では、次の結果でした。
表3|ココナッツオイルと血液中の脂質(メタ解析の結果)
| 項目 | ココナッツオイルを食べた群の変化 | 読み方 |
|---|---|---|
| LDLコレステロール | 他の植物油より10.47mg/dL高い(Neelakantanら・2020) | 上がる方向の報告 |
| HDLコレステロール | 4.00mg/dL高い(同上) | HDLは「善玉」と呼ばれる値。LDLが上がる点は別に注意 |
| 中性脂肪 | 12.12mg/dL低い(バージンココナッツオイル・2025) | 研究により結果がそろわない |
Neelakantanら(2020, Circulation)の抄録と、2025年のバージンココナッツオイルのメタ解析の抄録をもとに、本記事が整理した表です
2020年のメタ解析(16件)では、ココナッツオイルを食べた群は、ココナッツ以外の植物油の群と比べて、LDLコレステロールが10.47mg/dL高く、HDLコレステロールも4.00mg/dL高い結果でした。著者は、ココナッツオイルの摂取はLDLコレステロールを上げるので、油を選ぶときの参考にしてほしい、としています。
一方、2025年のバージンココナッツオイルのメタ解析(14件・1,049人)では、中性脂肪が12.12mg/dL低く、HDLが7.91mg/dL高くなり、他の脂質は有意な差がありませんでした。研究によって結果が分かれており、確かなことは言えません。
先に医師へ相談したい方
- 健診でLDLコレステロールや中性脂肪を指摘された方、脂質異常症の治療中の方
- 心臓や血管の病気がある方、その家族歴がある方
- 持病で薬を飲んでいる方
- 妊娠中・授乳中の方
mg/dLは血液検査の単位です。この変化は大きくはありませんが、毎日摂る油は積み重なるため、健診で脂質を指摘された方は注意してください。血液検査の結果を指摘されている方は、ココナッツオイルを習慣にする前に、主治医に確認してください。
ココナッツオイルの使い方と量|置き換えの例と、選ぶときの見方

ココナッツオイルに、決まった適量はありません。この記事の考え方は、いつもの油と置き換える範囲で使うことです。足すだけでは、1日の総エネルギーが増えます。
- 炒め物の油の一部を、ココナッツオイルに替える(量は増やさない)
- コーヒーやスムージーに加える場合は、その分、ほかの油や間食を減らす
毎日大さじ1杯(約12g)を追加すると、約107kcalです。減らさなければ、体重は増える方向に動きます。
商品を選ぶときは、特定の商品をおすすめすることはしませんが、次の点を見ます。
- 栄養成分表示の1回量とエネルギーを見る。表示の量を守っても、毎日使えばエネルギーは積み重なります
- サプリ(カプセル)は食品です。健康食品は医薬品ではなく、飲めば痩せるとは言えません
加熱の可否や保存方法は、必ずお手元の商品の表示に従ってください。「これだけで」「飲むだけで」と書かれた広告より、食事・睡眠・活動量の見直しのほうが、体重を動かす土台になります。食事の見直しは無理なく続けられる痩せ方の記事で解説しています。
ココナッツオイルを続けても体重が減らないとき|見直す順番

ココナッツオイルを続けても体重が変わらないときは、量を増やす前に、次の順で確認します。
- 食事全体のエネルギー。ココナッツオイルの分を、他の油や間食と置き換えられているか。足しただけになっていないか
- 睡眠と活動量。睡眠不足や、座りっぱなしの日が続いていないか
- 測り方。体重は日々の水分や食事で動くため、数週間の傾向で見る
体重が動かない時期の考え方は停滞期の記事とダイエット初期に体重が減らない理由の記事で解説しています。
食事の量を減らす前に、減量が必要かどうかと、現在の食事量・体調を確認してください。食欲が止まらないときは食欲が止まらない原因の記事もご覧ください。
ココナッツオイルをやめたほうがよいサイン
- 摂るたびにお腹の不調(下痢・吐き気など)が出る
- 健診でLDLコレステロールや中性脂肪の悪化を指摘された
- 「体に良い油だから」と、量が増えてきた
ココナッツオイルは、食事を整える代わりにはなりません。体重の変化を油の種類だけに期待していると、本来見直すべき点を見落とします。
食事と生活を見直しても変わらない、健診で指摘を受けた、一人では判断できない、という場合は、医師に相談するという選択肢があります。
URARAクリニックの公式LINEでは、カウンセリングのご予約やご相談を受け付けています。
自己流で変わらないとき|医師と進めるという選択肢

ここまでは一般的な説明です。以下は、それとは別に、URARAクリニックの自由診療のご案内です。
ココナッツオイルが合わなかった、食事や運動を見直しても変わらないという理由だけで、薬や機器による治療が適切になるわけではありません。まず減量の必要性と健康状態を、診察で確認します。
URARAクリニックの『医療美痩身』では、全身の体重・体型の管理を目的に、管理栄養士による栄養指導をはじめ、診察の結果に応じて内服薬・注射薬・機器による施術などの必要性を医師が判断し、組み合わせる複合治療をご提案しています(自由診療・効果には個人差があります)。
診察では、健康状態、これまでの食事や生活の状況を確認し、治療の必要性や適否を判断します。薬剤や施術には、それぞれ副作用やリスクがあり、治療を行わない選択肢も含めて相談します。まずは栄養指導でご相談いただけます。
医師や管理栄養士に相談することが、減量を保証するわけではありません。体重の変化は、体質や生活によって個人差があります。
次の症例は、URARAクリニックの『医療美痩身』を実際に受けた方の経過です。ココナッツオイルの効果を示すものではありません。
以下は個別の症例であり、治療を受けた方全体の平均的な減量幅や、目標体重に達する確率を示すものではありません。掲載数値から、ご自身の減量幅や必要な期間を予測することはできません。
体重の数値は複合治療を受けた方の経過です。記載された薬剤・機器・サプリメントそれぞれの減量効果を証明するものではなく、各治療や食事の寄与は、この症例から判断できません。
URARAクリニックの症例

症例No.00122|30代女性・163cm|74.6kg→69.3kg(−5.3kg)
治療内容:遺伝子検査、医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント(NMNサプリ・漢方サプリ・プロテイン)、医師の問診・栄養指導を組み合わせた複合治療 症例の詳細を見る
治療期間の目安:3ヶ月程度(通院は月1〜4回程度)
※コース総額 97,000円〜1,812,000円(税込)。表示の月額は当社指定の信販会社をご利用した分割料金。詳細はカウンセリング時にご説明します。
副作用・リスク:赤み、ヒリヒリ感、稀に強いひりつきや水ぶくれ、知覚過敏、無感覚、内出血、じんましん、凍傷、施術後数日の痛みやしびれ、便秘、吐気、腹満、下痢、倦怠感、頭痛などの症状が出る場合があります。
※効果には個人差があります。
治療の内容・標準的な費用・主なリスクは、施術・料金のページとカウンセリングでご確認ください。
よくある質問

Q. ココナッツオイルダイエットは何日で効果が出ますか?
一律にはお答えできません。確認できた研究は4〜12週が中心で、体重の差は小さなものでした。数日で体重が変わると示す資料は確認できませんでした。短期間での結果を期待して量を増やすと、エネルギーの摂りすぎになるため避けてください。
Q. ココナッツオイルとMCTオイルは、どちらがダイエットに向いていますか?
直接比べた資料は、確認できませんでした。MCTオイルの研究は、特定の脂肪酸(C8:0・C10:0)でできた油が対象で、ココナッツオイルの結果とは別です。どちらも油で、エネルギーは他の食用油と同じ水準です。使うなら、いつもの油と置き換える形にしてください。
Q. ココナッツオイルは空腹時に摂ってもよいですか?
摂る時間による効果の違いを示す資料は、確認できませんでした。お腹の不調が出やすい方は、少量から始めてください。つらい症状が出たらやめて、医療機関に相談してください。
Q. ココナッツオイルは肌や髪に使っても痩せますか?
肌や髪に塗って体重が変わるという資料は、確認できませんでした。
Q. 子どもや妊娠中でもココナッツオイルダイエットをしてよいですか?
体重を減らす目的では、おすすめしません。成長期の方、妊娠中・授乳中の方は、減量を目的とした食事の変更を自己判断で行わず、医師に相談してください。料理の一部として使う範囲は、通常の食生活の一部です。
まとめ

ココナッツオイルは、MCT(中鎖脂肪酸)が注目されたことから、ダイエットの補助として語られています。ただし、他の油脂と比べた体重の差は小さく、研究の結果も分かれています。エネルギーは他の食用油と同じ水準で、LDLコレステロールが上がる報告もあります。
使うなら、いつもの油と置き換えること。追加するだけでは、エネルギーが増えます。健診で脂質を指摘された方は、習慣にしない選択も含めて、主治医へ相談してください。
食事、睡眠、活動量を見直しても変わらないときや、一人で判断できないときは、医師に相談するという選択肢もあります。
URARAクリニックの『医療美痩身』では、医師が診察して治療の適否を判断し、管理栄養士と連携しながら、お一人おひとりの状態に合わせた全身の体重・体型管理をご提案しています。体重の減少を約束するものではありません。
まずはお気軽に無料カウンセリング予約をお申し込みください。ご自身のダイエット目的・健康状態に合わせたプランをご提案します。
参考文献
- 文部科学省「食品成分データベース」やし油
- 文部科学省「食品成分データベース」オリーブ油
- Swarnamali H, et al. Coconut oil consumption and bodyweight reduction: a systematic review and meta-analysis. Minerva Endocrinol. 2023(PubMed)
- Gaeini Z, et al. Dose-dependent effect of coconut oil supplementation on obesity indices: a systematic review and dose-response meta-analysis of clinical trials. BMC Nutr. 2025(PubMed)
- Mumme K, Stonehouse W. Effects of medium-chain triglycerides on weight loss and body composition: a meta-analysis of randomized controlled trials. J Acad Nutr Diet. 2015(PubMed)
- Neelakantan N, et al. The Effect of Coconut Oil Consumption on Cardiovascular Risk Factors: A Systematic Review and Meta-Analysis of Clinical Trials. Circulation. 2020(PubMed)
- The effect of virgin coconut oil (VCO) on cardiovascular disease risk factors: a systematic review and meta-analysis. 2025(PubMed)
記事の監修者

統括院長
20年以上にわたり、内科医として循環器や糖尿病患者の診療を担当してきました。疾病を予防するためには、肥満を克服することが極めて重要ですが、健康的な方法での体重減少は簡単なことではありません。痩身が実現できないかとの思いから、医療痩身の分野に足を踏み入れました。信頼性の高いエビデンスに基づいた新しい痩身メソッドの確立を目指し、『美痩身』を実現するために尽力しています。
人生100年時代における美容と健康に貢献すべく、医療技術及び健康への飽くなき探求を行い、”美と健康の医療的プロフェッショナル集団”であり続けるよう、日々邁進しております。ぜひご来院お待ちしております。
【経歴】
- 1992年3月 浜松医科大学卒業
- 1998年4月 名古屋大学医学部附属病院勤務
- 2000年10月 医療法人尚徳会ヨナハ総合病院勤務
- 2015年4月 医療法人尚豊会みたき総合病院勤務
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本人間ドック学会
- 日本抗加齢学会
- 日本再生医療学会
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