体脂肪率の平均を調べていて、サイトごとに数字が違うと感じたことはありませんか。
実はこれには、はっきりとした理由があります。体脂肪率には、公的に定められた基準値が現時点では存在しません(厚生労働省 e-ヘルスネット)。また、日本人の体格を知るうえで最も広く参照される国の調査「国民健康・栄養調査」でも、体脂肪率は測定されていません。
この記事では、年代別の実測データをご紹介したうえで、なぜ基準値が存在しないのか、では体組成計に表示される「標準」「やや高い」という判定は何なのかを、厚生労働省の一次情報をもとに解説します。数字に振り回されず、ご自身の体と向き合うための材料としてお読みください。
この記事で分かること
- 女性の体脂肪率の平均値(年代別・実測データ)
- 体脂肪率に公的な基準値が存在しない理由
- 体組成計の「標準」判定の正体
- BMIと体脂肪率、どちらを見るべきか
- 数値が日によってブレる理由と、正しい測り方
【監修医師】与那覇 靖(URARAクリニック 統括院長)
浜松医科大学卒業。日本内科学会・日本抗加齢学会・日本肥満症治療学会所属。
女性の体脂肪率の平均は?

結論からお伝えすると、日本人の体格に関する代表的な国の調査「国民健康・栄養調査」では、体脂肪率は測定されていません。
厚生労働省が毎年実施している同調査は、日本人の身長・体重・腹囲などを知るうえで最も広く参照される調査です。しかし、令和6年の調査項目に体脂肪率は含まれていません。
同調査の身体状況調査票の項目は、次のとおりです(原文)。
ア.身体状況調査票
(ア)身長(1歳以上) (イ)体重(1歳以上) (ウ)腹囲(20歳以上) (エ)血圧:収縮期(最高)血圧、拡張期(最低)血圧(20歳以上)[2回測定] (オ)血液検査(20歳以上) (カ)問診(20歳以上)
出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」
身長・体重・腹囲・血圧・血液検査・問診の6項目で、体脂肪率は含まれていません。
そのため、年代別の平均値としてよく参照されているのは、体組成計メーカーが自社の測定機器で集めた実測データです。次の項目で、その実測データをご紹介します。
【年代別】20代〜70代 女性の体脂肪率の平均

体組成計メーカーのInBody Japanは、自社機器で測定された日本人の年代別データを公開しています。
先にお読みください。下の表は同社の機器で測定された方々の平均であり、日本人女性全体を代表するように抽出された統計ではありません。また体脂肪率は生体電気インピーダンス法による推定値です。「日本人女性の平均はこの数値」という意味ではない点にご注意ください。
InBody測定者の体脂肪率 平均値(女性・年代別)
| 年代 | 平均体脂肪率 |
|---|---|
| 10代 | 22.2% |
| 20代 | 28.0% |
| 30代 | 29.0% |
| 40代 | 29.5% |
| 50代 | 30.3% |
| 60代 | 29.9% |
| 70代 | 31.5% |
出典:InBody Japan「測定データ平均値」。2017年5月〜2024年10月に測定された健康な日本人の年代別データ(生体電気インピーダンス法・InBody製機器による測定)。サンプル数は各年代 n=435〜2,595。
年代が上がるほど平均値が高くなる傾向
10代の22.2%から70代の31.5%まで、この測定者集団では、年代が上がるほど平均値が高いという差が見られます。
ただし、これは異なる年代の人を比べたデータであり、同じ人が年齢を重ねると必ずこう変化することを示したものではありません。測定を受けた方々の顔ぶれ(利用施設や目的)が年代ごとに異なる可能性もあります。
そのうえで、体脂肪率という指標の性質として、次のことは言えます。体重が同じままでも、筋肉が減って脂肪の割合が増えれば、体脂肪率は上がります。体重計の数字が変わっていないのに体脂肪率だけ上がっていた、という場合は、体組成が変化している可能性があります(ただし後述のとおり、測定条件による変動でも数値は動きます)。
平均値は「あるべき数値」ではありません
ここで最も注意していただきたい点があります。
この表の数値は、測定された方々の平均であって、目指すべき理想値ではありません。
次の項目で詳しくお伝えしますが、体脂肪率には公的に定められた基準値が存在しないため、平均値イコール適正値という関係も成り立ちません。平均より高い・低いという比較は、あくまで参考としてご覧ください。
ご自身の数値をどう受け止めればよいか
平均値を見て「思ったより高かった」「自分は平均以下だった」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。ただ、この平均値は次の性質を持つ数値です。
- 国の統計ではなく、1社の体組成計で測定されたデータの平均である
- 測定されたのは健診・整体院・フィットネス施設などを利用された方が中心で、日本人全体を代表するように抽出された標本ではない
- 測定方法(生体電気インピーダンス法)は推定であり、測定機器や測定条件によって数値が変わる
つまり、この表は「日本人女性はこうあるべき」という基準ではなく、「同じ機器で測った人たちは、おおよそこのあたりだった」という参照点にすぎません。
体脂肪率は、他人と比べるためではなく、過去のご自身と比べるための数値として使うほうが実用的です。先月の自分と比べてどう変化したか——その推移のほうが、平均との差よりもはるかに多くのことを教えてくれます。
体脂肪率の判定基準|実は公的な基準値は存在しません
「体脂肪率は何%から肥満なのか」は、非常によく聞かれる質問です。しかし、この問いには注意が必要です。
厚生労働省 e-ヘルスネットには、次のように明記されています。
現時点では体脂肪率の基準値は決まっていません。
その理由についても、同ページで次のように説明されています。
体脂肪率と生活習慣病との関係についての疫学調査は、BMIなどと比べると実施がしづらいこと、必ずしも精度の高い研究結果が得られているわけではないことなどにより
さらに、こう続きます。
疫学調査などでは、体脂肪量と強く相関するBMIが代替指標として用いられます。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「体脂肪率」(最終更新2024年5月28日・執筆 有屋田健一)
つまり、体脂肪率が何%以上なら肥満、という公的に定められた線引きは、現時点では存在しません。
では、体組成計の「標準」「やや高い」は何なのか
体組成計に乗ると「標準」「やや高い」といった判定が表示されます。これは各メーカーが独自に設定している基準です。
たとえばオムロンヘルスケアの体組成計は、成人女性について次の区分を採用しています。
| 判定 | 体脂肪率(女性・成人) |
|---|---|
| 低い | 20%未満 |
| 標準 | 20%以上〜30%未満 |
| やや高い | 30%以上〜35%未満 |
| 高い | 35%以上 |
出典:オムロンヘルスケア 体重体組成計 活用ハンドブック
注目していただきたいのは、同ハンドブックがその参照元を明示している点です。原文では次のように記載されています。
Lohman(1986)および長嶺(1972)によって提唱されている肥満判定の値を参考にしています
参照されているのは学会の基準ではなく、学術論文です。メーカーが異なれば、参照する論文も、設定する区分も変わります。実際、体組成計のメーカーやモデルによって判定表が異なることは各社が公表しています。
お使いの体組成計に表示される判定は、そのメーカーが採用した基準による判定である——そう理解しておくと、数字に振り回されずに済みます。
サイトごとに「理想値」が違うのは、これが理由です
冒頭でお伝えした「サイトごとに数字が違う」という現象の正体が、ここにあります。
公的な基準値が存在しないということは、それぞれの発信者が、それぞれの参照元に基づいて数値を示しているということです。参照する論文が違えば数値が変わり、機器メーカーが違えば区分が変わります。「理想」「適正」「標準」といった同じ言葉が使われていても、その根拠は同一ではありません。
だからこそ、体脂肪率の数値を目にしたときは、その数値が何を根拠にしているのかを確認することをおすすめします。
- 公的機関の基準なのか、メーカーの独自基準なのか
- 何年のデータか、何人を測ったデータか
- どんな方法(機器)で測定されたデータか
この3点が書かれていない数値は、参考程度にとどめておくのが安全です。本記事でご紹介している数値についても、発行元と、確認できる範囲での公表時期を明記しています(記事末の出典一覧をご覧ください)。
医療の現場で肥満の判定に使われているのはBMI
では、医療の現場では何を見ているのでしょうか。
肥満の判定に用いられるのは、体脂肪率ではなくBMIです。厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」には次のように記載されています。
日本肥満学会の基準では25以上を肥満と定義しています。肥満だけでは治療の対象とはならず、治療が必要な「肥満症」とは区別されます。
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」(最終更新2024年2月15日・執筆 山岸良匡)
ここには2つの重要な情報が含まれています。
- 判定の基準として用いられているのはBMIである(体脂肪率ではない)
- 「肥満」と「肥満症」は別のものであり、BMIが25以上でも直ちに治療の対象になるわけではない
体脂肪率は、ご自身の体組成の変化を追いかける指標としては有用です。ただし判定の物差しとしては、公的にはBMIが用いられているという点は押さえておきたいところです。
男性の体脂肪率との違い
体脂肪率は、男女で標準とされる範囲が異なります。実際の測定データでも、女性のほうが男性より高い値が出ています。
男女の平均体脂肪率(年代別・InBody Japan測定データ)
| 年代 | 女性 | 男性 | 差 |
|---|---|---|---|
| 10代 | 22.2% | 14.9% | +7.3pt |
| 20代 | 28.0% | 18.2% | +9.8pt |
| 30代 | 29.0% | 21.2% | +7.8pt |
| 40代 | 29.5% | 22.8% | +6.7pt |
| 50代 | 30.3% | 23.8% | +6.5pt |
| 60代 | 29.9% | 24.1% | +5.8pt |
| 70代 | 31.5% | 24.6% | +6.9pt |
出典:InBody Japan「測定データ平均値」。2017年5月〜2024年10月に測定された健康な日本人の男女のデータ(生体電気インピーダンス法)。サンプル数は各年代 男性 n=690〜2,621/女性 n=435〜2,595。
どの年代でも女性のほうが6〜10ポイントほど高いという差が見られます。女性の体脂肪率が男性より高いこと自体は、珍しいことではありません。
(なお、この差がなぜ生じるのかについては、性ホルモンや脂肪のつき方の違いなどが挙げられますが、上記のメーカー集計データそのものは、その原因を示すものではありません。)
メーカー基準(オムロンヘルスケア)でも、成人男性は標準が10%以上〜20%未満、成人女性は標準が20%以上〜30%未満と、約10ポイントの差が設けられています。
男性の数値をそのままご自身に当てはめないことが大切です。
男性の体脂肪率について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
▶ 男性が体脂肪率を減らす方法
BMIと体脂肪率、どちらを見るべき?
「体脂肪率とBMI、どっちが大事ですか」という質問もよくいただきます。結論としては、役割が違うので両方を見るのが現実的です。
| BMI | 体脂肪率 | |
|---|---|---|
| 何から計算するか | 身長と体重 | 体組成の測定(推定) |
| 分かること | 体格が標準か | 体に占める脂肪の割合 |
| 分けられるもの | 分けられない(体重をそのまま使う) | 脂肪と、それ以外(除脂肪)の割合 |
| 公的な判定基準 | あり(25以上を肥満) | なし |
BMIは身長と体重だけで計算できる手軽さが利点ですが、筋肉と脂肪を区別できません。そのため、筋肉量が多い方はBMIが高く出ることがあります。
反対に体脂肪率は、脂肪とそれ以外の割合が分かります。ただし「それ以外(除脂肪)」には筋肉だけでなく骨や水分も含まれるため、体脂肪率だけで筋肉量が分かるわけではありません。そして前述のとおり、公的な判定基準もありません。
BMIで体格の位置を確認し、体脂肪率で中身の変化を追う。このように使い分けると、それぞれの弱点を補い合えます。
BMIと見た目の関係は、こちらの記事で画像を交えて解説しています。
▶ BMIと女性の見た目【画像解説】
体脂肪率の測り方と、数値がブレる理由

家庭用の体組成計の多くは、生体電気インピーダンス法と呼ばれる方法を採用しています。厚生労働省 e-ヘルスネットでは次のように説明されています。
生体電気インピーダンス法(体に微弱な電流を流して電流の流れやすさの程度を計測して体脂肪率を推定する方法)
脂肪は電気を通しにくく、筋肉は水分を多く含むため電気を通しやすい——この差を利用して体脂肪率を推定しています。つまり、体脂肪そのものを直接測っているわけではありません。
同じ日でも数値が変わるのはなぜか
朝と夜で体脂肪率が2%も違う、という経験はありませんか。多くの場合、これは測定条件による変動です。
生体電気インピーダンス法は体内の水分量の影響を受けます。そのため、次のようなタイミングでは数値が変動しやすくなります。
- 食事の直後・飲水の直後
- 入浴の直後(体表の水分・血流の変化)
- 運動の直後(発汗による水分減少)
- 起床直後(就寝中の水分移動)
対策は「メーカーが指定する条件にそろえること」
大切なのは1回の数値ではなく、同じ条件で測り続けたときの推移です。1日単位の上下に一喜一憂する必要はありません。
そして、その「同じ条件」は自己流で決めるのではなく、お使いの機器の取扱説明書やメーカーの案内が指定している条件に合わせてください。次の項目で見るとおり、メーカーによって推奨される条件は異なります。
メーカーが公式に案内している「測定を避けるべきタイミング」
体組成計メーカー各社は、正確に測るための条件を公式に案内しています。
タニタは、業務用体組成計のサイトで次の条件を挙げています。
- 起床後2時間以上経過してから(就寝時は脱水が生じやすく、長時間の臥位により脚部の水分量が減少する影響を取り除くため)
- 食後2時間以上経過してから(飲食による体温上昇、体重増加の影響を抑えるため)
- 運動直後・入浴直後は避ける(脱水・体温上昇の影響)
- むくみ・脱水がある場合は避ける
- 手足が冷えている場合は避ける(末梢体温低下・血流量減少のため)
- 手足が乾燥している場合は避ける(通電しにくくなるため)
出典:タニタ「体組成を正確にはかるために気を付けたいこと」
オムロンヘルスケアは、おすすめの測定時間帯として「起床後」と「食後2時間以上たった時間」を挙げ、入浴や激しい運動の直後は避けるよう案内しています(出典:オムロンヘルスケア 体重体組成計 活用ハンドブック)。
ここでも「メーカーによって案内が違う」
お気づきでしょうか。起床後の扱いが2社で異なります。タニタは「起床後2時間以上」を推奨し、オムロンは「起床後」をおすすめ時間帯としています。
どちらかが誤っているという話ではありません。機種や測定方式、想定する使い方が各社で異なるため、案内される条件も変わってきます。判定基準と同じで、体脂肪率の世界には「これが正解」という統一された取り決めがないのです。
実用上の結論はシンプルです。お使いの機器のメーカーが案内している条件に合わせ、その条件を毎回そろえること。
ただし、条件をそろえても数値は多少ばらつきます。体内の水分状態を毎回まったく同じにすることはできないためです。1回ごとの増減ではなく、数週間単位の傾向を、体重や体調と併せて見るようにしてください。
体脂肪率別の見た目の目安
「同じ体重でも見た目が違う」と言われるのは、体組成の違いによるものです。体脂肪率が下がると、体重が同じでも体のラインの見え方が変わります。
ただし、体脂肪率の数値から見た目を一意に言い当てることはできません。理由は3つあります。
- 脂肪がどこに付いているかは人によって違う(お腹まわり中心の方もいれば、下半身中心の方もいます)
- 骨格・身長・筋肉のつき方が違えば、同じ体脂肪率でもシルエットは変わる
- 体脂肪率そのものが推定値で、機器や測定条件によって数値が動く
つまり「体脂肪率◯%=この見た目」という対応表は、目安以上のものにはなりません。写真を見比べる際も、この点を踏まえてご覧ください。
そのうえで、具体的な見た目の変化については、写真で比較した記事をご用意しています。
体脂肪率ごとの見た目を写真で比較したい方は、こちらをご覧ください。
▶ 【写真で比較】体脂肪率と女性の見た目の関係
体脂肪率25%の見た目をより詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
▶ 女性の体脂肪率25%は理想?
痩せすぎ・低体重に注意したいこと|体脂肪率とは分けて考える

体脂肪率は高いほうばかりが注目されがちですが、痩せすぎの状態にも注意が必要です。
先にお断りしておきます。前述のとおり体脂肪率には公的な基準値がないため、「体脂肪率が何%を下回ると危険」という公的な線引きは存在しません。
これからご紹介するのは、体脂肪率ではなくBMIを基準にした、低体重・低栄養についての学会の指摘です。体脂肪率が低いことと、低体重・低栄養であることは同じではありません。そのうえでお読みください。
日本肥満学会をはじめとする関連学会は、2025年4月、閉経前の成人女性における低体重・低栄養の健康課題について声明を公表しました。そこでは次のように指摘されています。
低栄養やエストロゲンの低下、低体重による物理的な過重負荷の低下が骨形成を阻害し、20代における骨減少をもたらし、将来的な骨粗鬆症リスクを高めると考えられる
低栄養や極端な体重減少は視床下部−下垂体−卵巣系に影響し、月経不順や排卵障害を引き起こす
出典:日本肥満学会ほか「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題―新たな症候群の確立について―」(2025年4月16日)
この声明で低体重と定義されているのはBMI 18.5未満であり、体脂肪率のパーセンテージによる基準は示されていません。
インターネット上には「体脂肪率◯%を下回ると無月経になる」といった具体的な数値も見られますが、その多くは元になった研究や対象者が示されておらず、根拠をたどれません。本記事では、根拠を確認できない数値は掲載していません。
大切なのは数値ではなく、体からのサインです。月経が3か月以上ない、疲れやすい、髪や肌の調子が続けて悪い——こうした変化を感じている場合は、体脂肪率やBMIの数値が何であっても、婦人科などの医療機関にご相談ください。
また、減量そのものが体調に影響していると感じる場合は、減量を続ける前にご相談ください。
かくれ肥満と内臓脂肪|医療で見ている基準

体重やBMIが標準の範囲でも、体脂肪の割合が高い状態は「かくれ肥満」と呼ばれることがあります。見た目や体重の数字には表れにくいため、体組成を測ることが気づくきっかけになります。
(なお「かくれ肥満」は俗称であり、内臓脂肪の蓄積と同じ意味ではありません。)
医療の現場で重視されるのは、体脂肪の量だけでなくどこに付いているかです。とくに内臓のまわりに蓄積する内臓脂肪は、生活習慣病との関連が指摘されています。
内臓脂肪の蓄積は、メタボリックシンドロームの診断基準において必須の項目とされています。厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」(日本内科学会など8つの医学系の学会が策定)には、次の基準が示されています。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| ウエスト周囲径 | 男性 ≧85cm / 女性 ≧90cm |
| (相当する内臓脂肪面積) | 男女ともに ≧100cm² に相当 |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」(最終更新2021年11月5日・執筆 山岸良匡)
つまり健康診断で測る腹囲は、直接測ることが難しい内臓脂肪面積を推し量るための指標として使われている、ということです。体脂肪率だけでなく腹囲の数値も併せて見ていただくと、ご自身の状態を把握しやすくなります。
ただし、上の表は診断基準のうちの「必須項目」です。腹囲の数値だけでメタボリックシンドロームと診断されるわけではありません。
実際には、必須項目に加えて次の3つの選択項目のうち2つ以上が基準から外れた場合に診断されます。
| 選択項目 | 基準 |
|---|---|
| 脂質 | 高トリグリセライド血症 ≧150mg/dL かつ/または 低HDLコレステロール血症 <40mg/dL |
| 血圧 | 収縮期(最大)血圧 ≧130mmHg かつ/または 拡張期(最小)血圧 ≧85mmHg |
| 血糖 | 空腹時高血糖 ≧110mg/dL |
ご覧のとおり、診断には血液検査と血圧測定の結果が必要です。腹囲が基準を超えていた場合も、超えていなかった場合も、健康診断の結果全体をご確認ください。
なお、家庭用の体組成計に表示される「内臓脂肪レベル」は、この面積を推定した各社独自の指標であり、CT検査による測定とは異なります。
BMIが標準でも、体脂肪率が高いことがあります
前の項目でお伝えしたとおり、BMIは身長と体重だけで計算されるため、筋肉と脂肪を区別できません。これは裏返すと、筋肉が少なく脂肪が多い状態でも、BMIの上では標準に収まってしまうということです。
体重計とBMIだけでは、この状態は見えにくくなります。体組成の測定が評価の参考になるのは、そのためです。
だからこそ、次の3つを組み合わせて見ることをおすすめします。
| 見る指標 | 分かること | どこで測るか |
|---|---|---|
| BMI | 体格が標準の範囲か | 身長と体重があれば計算できる |
| 体脂肪率 | 体に占める脂肪の割合の推移 | 体組成計(家庭用でも可) |
| 腹囲 | 内臓脂肪の蓄積の目安 | 健康診断・自宅でメジャー |
数値が気になったときにできること
体重は変わっていないのに体脂肪率が上がり続けている、腹囲が基準を超えている——こうした変化に気づいたときは、まず健康診断の結果を確認してみてください。腹囲・血圧・血糖・脂質の数値は、体脂肪率だけでは見えないご自身の状態を教えてくれます。
そのうえで気になる点が残る場合や、より詳しく体組成を把握したい場合は、医療機関でのご相談をご検討ください。
体脂肪率が気になる方へ|URARAクリニックでできること
ここまでお伝えしてきたとおり、体脂肪率は推定値であり、判定基準もメーカーごとに異なります。
URARAクリニックでは、無料カウンセリング時にインボディ計測を行っています。体脂肪率だけでなく、筋肉量や部位別の体組成まで含めて、いまの状態を数値で確認していただけます。
このインボディも、家庭用の体組成計と同じ生体電気インピーダンス法による推定です。測定条件の影響も受けます。医療機関で測ったからといって「正確な真の値」が分かるわけではありません。
それでも医療機関での計測に意味があるとすれば、同じ機器・同じ条件で継続して測れること、そしてその数値を医師と一緒に読めることです。数値そのものより、数値をどう解釈し、次に何をするかのほうが大切だからです。
体脂肪率を下げたい場合に大切なこと
体脂肪率は「体重に占める脂肪の割合」です。そのため、体重が何kg減ったかだけでは、体脂肪率がどう動くかは決まりません。減った分の内訳——脂肪がどれだけ減り、脂肪以外(筋肉・水分など)がどれだけ減ったか——によって、体脂肪率は下がることも、あまり変わらないこともあります。
つまり、見るべきは体重の増減だけでなく、体組成がどう変わったかです。
URARAクリニックの医療痩身は、脂肪へのアプローチと筋肉へのアプローチを組み合わせた複合的な治療を、全身に対して行う設計です。特定の部位だけを対象にするのではなく、体組成そのものを整えていくことを目指します。
医師の診察のうえで一人ひとりの体組成に合わせたプランをご提案しますので、過度な食事制限や激しい運動に頼らない方法をお探しの方は、一度ご相談ください。
ただし、次に当てはまる方には施術をご提供できないことが多くございます。18歳未満75歳以上/BMIが18.5以下/がん/心疾患/肝疾患/腎疾患/妊娠中/授乳中/産後3ヶ月以内の方(詳しくは記事末をご覧ください)。
また、低体重や月経の不調がある方は、減量のご相談よりも、まず該当する診療科の受診をご検討ください。
体脂肪率を落とす具体的な方法については、別の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 女性の体脂肪率は何%が理想ですか?
A. 公的に定められた理想値はありません。厚生労働省 e-ヘルスネットにも「現時点では体脂肪率の基準値は決まっていません」と明記されています。体組成計に表示される判定は、各メーカーが独自に設定した基準によるものです。目的(健康維持・ボディメイクなど)によって目指す数値は変わります。
Q. 体脂肪率が30%を超えていたら肥満ですか?
A. 体脂肪率で肥満と判定する公的基準はありません。肥満の判定にはBMIが用いられ、厚生労働省 e-ヘルスネットには「日本肥満学会の基準では25以上を肥満と定義しています」と記載されています。なお肥満と、治療が必要な「肥満症」は区別されます。
Q. 女性の体脂肪率の平均はどれくらいですか?
A. 国民健康・栄養調査には体脂肪率の項目がないため、同調査からは平均値を知ることができません。体組成計メーカーInBody Japanの測定データでは、20代28.0%、30代29.0%、40代29.5%、50代30.3%となっています(2017年5月〜2024年10月測定)。これは同社の機器で測定された方々の平均であり、日本人女性全体を代表する統計でも、目指すべき理想値でもありません。
Q. 朝と夜で体脂肪率が違うのはなぜですか?
A. 家庭用の体組成計が用いる生体電気インピーダンス法は、体内の水分量の影響を受けるためです。食事・入浴・運動の直後は変動しやすくなります。毎日同じ条件で測り、推移で見ることをおすすめします。
Q. 体重は変わらないのに体脂肪率だけ増えたのはなぜですか?
A. 体重が同じでも、筋肉が減って脂肪の割合が増えれば体脂肪率は上がります。体重だけでなく、体組成の変化を見ることが大切です。
Q. 痩せすぎは体に良くないのですか?
A. 低体重・低栄養の状態は、月経不順や骨密度の低下と関連することが関連学会の声明で指摘されています。ただし同声明が扱っているのはBMI18.5未満という低体重であり、体脂肪率のパーセンテージによる基準は示されていません。体脂肪率が低いことと、低体重・低栄養であることは同じではありません。月経が3か月以上ないなど気になる症状がある場合は、数値にかかわらず医療機関にご相談ください。
安全のため、以下に当てはまる方はサービスを提供できないことが多くございます。何卒ご留意ください。
18歳未満75歳以上/BMIが18.5以下/がん/心疾患/肝疾患/腎疾患/妊娠中/授乳中/産後3ヶ月以内の方
参考文献・出典一覧
| 内容 | 出典 |
|---|---|
| 体脂肪率に公的な基準値は無い/BIA法の説明 | 厚生労働省 e-ヘルスネット「体脂肪率」(最終更新2024年5月28日・執筆 有屋田健一) |
| BMI25以上を肥満と定義/肥満と肥満症の区別 | 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」(最終更新2024年2月15日・執筆 山岸良匡) |
| 内臓脂肪面積100cm²・腹囲85/90cm | 厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドロームの診断基準」(最終更新2021年11月5日・執筆 山岸良匡) |
| 国民健康・栄養調査の調査項目 | 厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」 |
| 年代別平均体脂肪率(男女7年代・n値付き) | InBody Japan「測定データ平均値」(2017年5月〜2024年10月測定) |
| 判定区分(メーカー基準・Lohman 1986/長嶺 1972 参照) | オムロンヘルスケア 体重体組成計 活用ハンドブック |
| 測定条件(起床後2時間以上・食後2時間以上ほか) | タニタ「体組成を正確にはかるために気を付けたいこと」 |
| 低体重と月経不順・骨粗鬆症 | 日本肥満学会ほか「閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題」(2025年4月16日) |
記事の監修者

統括院長
20年以上にわたり、内科医として循環器や糖尿病患者の診療を担当してきました。疾病を予防するためには、肥満を克服することが極めて重要ですが、健康的な方法での体重減少は簡単なことではありません。痩身が実現できないかとの思いから、医療痩身の分野に足を踏み入れました。信頼性の高いエビデンスに基づいた新しい痩身メソッドの確立を目指し、『美痩身』を実現するために尽力しています。
人生100年時代における美容と健康に貢献すべく、医療技術及び健康への飽くなき探求を行い、”美と健康の医療的プロフェッショナル集団”であり続けるよう、日々邁進しております。ぜひご来院お待ちしております。
【経歴】
- 1992年3月 浜松医科大学卒業
- 1998年4月 名古屋大学医学部附属病院勤務
- 2000年10月 医療法人尚徳会ヨナハ総合病院勤務
- 2015年4月 医療法人尚豊会みたき総合病院勤務
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本人間ドック学会
- 日本抗加齢学会
- 日本再生医療学会
Reserve
無料カウンセリング予約はこちら
美しい痩せ方を実現したいあなたへ
痩せながら美しくなる医療美痩身のURARAクリニックでまずはあなたの体質に合う痩せ方を知ってみませんか?
無料カウンセリングはこちらからお申し込みできます。






_T.f.a.Association-13-1-150x150.png)





















