「バランスボールに座るだけで痩せる」「椅子の代わりにすれば運動になる」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
先に結論を言うと、バランスボールに座るだけ、または椅子代わりにするだけで痩せるとはいえません。METsから消費エネルギーを推計できても、それだけでは継続使用による体重減少の根拠にはなりません。
この記事では、バランスボールに座るだけ・椅子代わりにするだけでどのくらい効果があるのか、メッツ値からみる消費カロリーの読み方、座る前に確認したい姿勢と転倒対策、選び方とメリット・デメリット、転倒・腰痛・妊娠中・授乳中・高齢者の方が気をつけたい点までを、医師の監修のもとで解説します。
【監修医師】与那覇 靖(URARAクリニック 統括院長)
浜松医科大学卒業。日本内科学会・日本抗加齢学会・日本肥満症治療学会所属。
安全のため、以下に当てはまる方はサービスを提供できないことが多くございます。何卒ご留意ください。
18歳未満75歳以上/BMIが18.5以下/がん/心疾患/肝疾患/腎疾患/妊娠中/授乳中/産後3ヶ月以内の方
座るだけで減量できるとはいえない理由

結論:バランスボールに座るだけ・椅子代わりにするだけの使い方で、痩せるとはいえません。体重の変化を決めるのは、食事から摂取するエネルギー量と、消費するエネルギー量全体の差です。METsから消費エネルギーを推計できても、それだけでは継続使用による体重減少の根拠にはなりません。
一方で、バランスボールに座りながら姿勢を保とうとすることで、体幹まわりの筋肉を使う感覚がつかめたり、姿勢を意識するきっかけになったりすることはあります。ただし、これは体重計の数字に直結する変化ではありません。
「60kcal」は椅子から替えた効果ではない|メッツでみる消費カロリー

運動の強度を表す指標に「メッツ(METs)」があります。国立健康・栄養研究所の「改訂第2版 身体活動のメッツ表」(成人版)には、バランスボールに関連する活動が強度別に収録されています。
| 使い方 | メッツ値の目安 |
|---|---|
| 座って乗るだけ(デスクワーク中など・楽な労力) | 2.0メッツ |
| バランスボールを使った運動(体を動かすエクササイズ) | 2.8メッツ |
消費エネルギーの概算には「メッツ値×体重kg×実施時間(時間)」(国立健康・栄養研究所の式)を使います。安静にしていても一定のエネルギーは消費されるため、運動によって増える分は「(メッツ値−1)×体重kg×実施時間(時間)」です。例えば体重60kgの人が2.0メッツの「座って乗るだけ」を1時間続けると、総消費量は合計約120kcal、1メッツの安静時を差し引いた量は約60kcalの計算です。ただし、60kcalは普通の椅子からバランスボールへ替えることで増える量ではありません。置き換えによる増加量には、同じ作業を椅子で行った場合との比較が必要です。同じ時間、2.8メッツの運動として使った場合は合計約168kcal、安静時を差し引いた量は約108kcalの計算になります。実際の消費量には個人差があり、姿勢や動き方によっても変わります。
METs値は、表に記載された活動条件に対応する目安です。バランスボールを椅子代わりにしたすべての作業に、同じ値が当てはまるわけではありません。歩行の強度も速度などで変わるため、ここでは3.0メッツ前後と仮定した歩行との参考比較を示すと、座って乗るだけの活動はそれより低い強度にとどまります。
座る前に確認したい姿勢と転倒対策

バランスボール運動は、正しい姿勢で行うことが重要とされています。背中を丸めたような姿勢で行うと、腰などに局所的な負担がかかったり、バランスを保ちにくくなったりして、けがや転倒のリスクが高くなるとされています(健康長寿ネット)。
目安になる座り方は、股関節の曲がる角度を90度程度にし、お腹に軽く力を入れて背筋を伸ばし、両ひざの間を20〜30cmほど開けて、ふくらはぎがボールに触れないようにする姿勢です。これは姿勢を保つための説明であり、お腹の脂肪を減らす方法ではありません。この姿勢を保とうとすること自体が、体幹まわりの筋肉を使うきっかけになるとされています。
「座って跳ねる」といった動きは、高齢の方やバランスを取りにくい方には一律に安全とはいえません。行う場合は周囲に物がない広さを確保し、慣れるまでは無理に大きく動かさないことが大切です。詳しくは次のH2「腰痛・妊娠中・授乳中・高齢者の方の注意点」をご覧ください。
URARAクリニックの公式LINEでは、カウンセリングのご予約やご相談を受け付けています。
選び方とメリット・デメリット

ボール選びの目安は、座ったときに両足の裏がしっかり床に着き、股関節の曲がる角度が90〜110度になる大きさとされています(健康長寿ネット)。体格に合わないサイズを選ぶと、正しい姿勢を保ちにくくなります。
メリットとして、椅子に座ったままより姿勢を意識しやすい点、すきま時間に取り入れやすい点が挙げられます。一方で、デメリットとして、置き場所を取ること、慣れるまでは不安定で作業に集中しにくいこと、そして本来のメッツ値どおり座るだけでは消費エネルギーが大きくないことが挙げられます。
「バランスボールに座るとインナーマッスルが鍛えられて基礎代謝が大きく上がる」といった説明を見かけることがありますが、座るだけの活動でそこまでの変化を期待できる根拠は確認できていません。体幹を使う感覚は得られても、基礎代謝を大きく変えるほどの負荷ではないと考えるのが妥当です。
「お腹だけ引き締まる」といえるのか

バランスボールで姿勢を保つ運動を「お腹まわりに効きそう」と感じる方もいますが、特定の部位の運動だけで、その部位の脂肪だけを狙って減らす「部分やせ」は、研究では確認されていません。
腹部を使う運動を週5日・6週間続けたグループと行わなかったグループを比較した研究では、運動群の体重・体脂肪率・腹囲・腹部皮下脂肪厚のいずれにも、行わなかったグループとの有意な差は見られなかったと報告されています(Vispute SS, et al. The effect of abdominal exercise on abdominal fat. J Strength Cond Res. 2011;25(9):2559-2564)。これはバランスボールを検証した研究ではなく、この条件での腹部運動全般についての結果であり、この結果をすべての腹筋運動に一般化することはできません。バランスボールに座ることで、お腹の脂肪だけが減ると期待できる根拠としても使えません。
腰痛・妊娠中・授乳中・高齢者の方の注意点

成人でBMI18.5未満の方や成長期の方は、この記事を参考に自己判断で減量を始めないでください。極端な食事制限、過食・嘔吐、体重や体型への強いこだわりがある場合は、減量より先に医療機関へ相談してください。
妊娠中・授乳中の方は、この記事を根拠に自己判断で減量を始めず、担当医や助産師に相談してください。妊娠中にバランスボールを使う場合は、使用方法を含めて担当医に確認してください。持病がある方や服薬中の方は、運動内容の変更が小さくても、使用開始前に主治医へ相談してください。
どの使い方でも、慣れるまでは両手をボールに添えたり、机や椅子につかまったりして、無理をしないことが大切です。跳ねる動作を一律に安全とはいえません。高齢の方やバランスを取りにくい方は、付き添いがいても自己判断で跳ねる動作を始めず、医師や理学療法士などに適した運動を確認してください。使用する場合は、滑りにくい床、周囲の空間、動かない支持物を確保し、キャスター付きの椅子などにはつかまらないでください(健康長寿ネット)。
使用中に痛み、めまい、普段と異なる息苦しさが出たら、その時点で中止してください。症状が治まっても、その場で再開せず医療機関に相談してください。胸痛、失神、強い呼吸困難などがある場合は119番を含む救急対応が必要です。腰痛に加えて新たなしびれ、脚の力が入りにくい症状、排尿・排便の異常がある場合は、速やかに受診してください。妊娠中の運動は時期や体調によって適した内容が大きく異なるため、担当医に運動の可否を確認したうえで行ってください。
減量の必要性から医師に相談するには

バランスボールで体重が変わらないことだけを理由に、治療が必要とは判断できません。体重の変化には食事や活動量のほか、病気、薬の影響、体内の水分量なども関係します。急な体重変化やむくみ、強い疲労感がある場合は、まず医療機関に相談してください。
減量の必要性は、BMIだけでなく、健康状態や体重の経過などを踏まえて医師が判断します。そもそも自分に減量が必要かどうか判断しにくい場合や、食事・活動量を見直しても変化が見られない場合は、URARAクリニックの『医療美痩身』にご相談ください。診察で減量の必要性と健康状態を医師が確認したうえで、適応がある方に、管理栄養士による栄養指導をはじめ、内服薬・注射薬・機器による施術などを組み合わせる複合治療をご提案しています(自由診療・効果には個人差があります)。
URARAクリニックの症例

症例No.00118|40代女性・148cm|72.2kg→69.2kg(−3.0kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント(NMNサプリ・漢方サプリ・プロテイン)、医師の問診・栄養指導を組み合わせた複合治療 症例の詳細を見る

症例No.00133|30代男性・165cm|83.6kg→77.0kg(−6.6kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント(NMNサプリ・漢方サプリ・プロテイン)、医師の問診・栄養指導を組み合わせた複合治療 症例の詳細を見る

症例No.00120|50代男性・168cm|73.0kg→69.4kg(−3.6kg)
治療内容:遺伝子検査、次世代医療機器、脂肪溶解注射、ダイエット点滴、ダイエット薬、オリジナルサプリメント(NMNサプリ・漢方サプリ・プロテイン)、医師の問診・栄養指導を組み合わせた複合治療 症例の詳細を見る
治療期間の目安:3ヶ月程度(通院は月1〜4回程度)
※コース総額 97,000円〜1,812,000円(税込)。表示の月額は当社指定の信販会社をご利用した分割料金。詳細はカウンセリング時にご説明します。
副作用・リスク:赤み、ヒリヒリ感、稀に強いひりつきや水ぶくれ、知覚過敏、無感覚、内出血、じんましん、凍傷、施術後数日の痛みやしびれ、便秘、吐気、腹満、下痢、倦怠感、頭痛などの症状が出る場合があります。
※効果には個人差があります。
上の症例は、URARAクリニックの『医療美痩身』を実際に受けた方で、体重の変化は複合治療全体の結果です(バランスボールや特定の運動単独の効果を示すものではありません)。治療の内容・標準的な費用・主なリスクは、施術・料金のページとカウンセリングでご確認ください。
よくある質問

Q. バランスボールに座るだけで痩せますか?
座るだけ、または椅子代わりにするだけで痩せるとはいえません。METsから消費エネルギーを推計できても、それだけでは継続使用による体重減少の根拠にはなりません。体重の変化は食事量と消費エネルギー全体の差で決まります。
Q. 椅子代わりにすると効果がありますか?
デスクワーク中に椅子代わりとして使う場合の目安は約2.0メッツで、1メッツの安静時との差は体重60kg・1時間で約60kcalの計算です。ただしこれは普通の椅子から替えることで増える量ではなく、置き換え効果には椅子での活動との比較が必要です。
Q. 1日何分くらいやればいいですか?
決まった正解の時間はなく、目的や体力、生活状況によって適した使い方は異なります。長時間座り続けることを目指すより、無理のない範囲で姿勢を意識しながら続けることが大切です。
Q. バランスボールでお腹だけ痩せますか?
特定の部位の運動だけでその部位の脂肪を狙って減らす「部分やせ」は、研究では確認されていません。参考にした研究もバランスボールを検証したものではなく、腹筋運動全般に一般化することも、バランスボールでお腹だけ減ると期待する根拠にすることもできません。
Q. バランスボールに座るとインナーマッスルが鍛えられて基礎代謝が上がりますか?
座って姿勢を保つことで体幹まわりの筋肉を使う感覚は得られますが、それだけで基礎代謝が大きく上がるとする根拠は確認できていません。運動強度としては軽い活動にとどまります。
Q. バランスボールのメリット・デメリットは何ですか?
メリットは姿勢を意識しやすくすきま時間に取り入れやすい点、デメリットは置き場所を取ること、慣れるまで不安定で作業に集中しにくいこと、座るだけでは消費エネルギーが大きくないことです。
Q. 座って跳ねるような使い方をしても大丈夫ですか?
跳ねる動作を一律に安全とはいえません。高齢の方やバランスを取りにくい方は、付き添いがいても自己判断で始めず、医師や理学療法士などに適した運動を確認してください。行う場合は滑りにくい床と周囲の空間を確保し、キャスター付きの椅子などにはつかまらないでください。
Q. 妊娠中・授乳中や腰痛があってもバランスボールは使えますか?
妊娠中・授乳中の方は自己判断で減量を始めず、使用方法を含めて担当医や助産師に確認してください。腰痛がある方は、新たなしびれや脚の力が入りにくい症状、排尿・排便の異常があれば速やかに受診してください。使用中に痛みやめまい、普段と異なる息苦しさが出たら、その時点で中止し、治まっても自己判断で再開せず医療機関に相談してください。
まとめ

バランスボールに座るだけ・椅子代わりにするだけの使い方で、痩せるとはいえません。「60kcal」という数値も椅子から替えた効果ではなく、METs値でみても座って乗るだけの活動は歩行より低い強度にとどまります。
使う際は、股関節の角度や姿勢を意識した座り方を守り、体を動かす運動として使う場面と、デスクワーク中の姿勢の意識づけとして使う場面を分けて考えることが現実的です。転倒・腰痛・妊娠中・授乳中・高齢の方は、無理をせず医療機関や専門家に相談しながら取り入れてください。体重を落としたい場合は、バランスボールだけに頼らず食事全体の見直しと組み合わせることが大切です。
URARAクリニックでは、医師が診察し、管理栄養士と連携しながら、一人ひとりの状態に合わせた全身の体重・体型管理『医療美痩身』をご提案しています。
まずはお気軽に無料カウンセリング予約をお申し込みください。ご自身のダイエット目的・健康状態に合わせたプランをご提案します。
記事の監修者

統括院長
20年以上にわたり、内科医として循環器や糖尿病患者の診療を担当してきました。疾病を予防するためには、肥満を克服することが極めて重要ですが、健康的な方法での体重減少は簡単なことではありません。痩身が実現できないかとの思いから、医療痩身の分野に足を踏み入れました。信頼性の高いエビデンスに基づいた新しい痩身メソッドの確立を目指し、『美痩身』を実現するために尽力しています。
人生100年時代における美容と健康に貢献すべく、医療技術及び健康への飽くなき探求を行い、”美と健康の医療的プロフェッショナル集団”であり続けるよう、日々邁進しております。ぜひご来院お待ちしております。
【経歴】
- 1992年3月 浜松医科大学卒業
- 1998年4月 名古屋大学医学部附属病院勤務
- 2000年10月 医療法人尚徳会ヨナハ総合病院勤務
- 2015年4月 医療法人尚豊会みたき総合病院勤務
【所属学会】
- 日本内科学会
- 日本循環器学会
- 日本人間ドック学会
- 日本抗加齢学会
- 日本再生医療学会
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