医療ダイエット・医療痩身は保険適用される!?条件キロ数や対象となる肥満外来を解説!
自力で痩せることが難しい人でも高い確率でダイエットの成功を目指せる医療ダイエットですが、保険適用で受けられるかどうかというお問い合わせを多くいただきます。
結論からお伝えしますと、肥満かつ特定の疾病を持っている場合には肥満外来などで保険適用で治療を受けられる場合があります。
ただし受けられる治療内容は限定的なものとなり、また美容的な側面の強い脂肪冷却やボディハイフといった施術を受けたい場合には、全て自費診療となります。
この記事では、医療ダイエットが保険適用となる詳細な条件や受けられる施術について徹底解説します。
さらに、肥満外来等での保険適用の医療ダイエットと自費診療の医療ダイエットとの違いや、どのような人に向いているのかも併せて解説します。
Contents
医療ダイエット・医療瘦身は保険適用されるの?
メディカルダイエットの目的は、体重を減少させることと脂肪を減らし、体型を改善して「見た目を美しくすること」です。美容目的の場合は、部分痩せも減量も保険診療の適用外となります。
そのため、メディカルダイエットは保険診療の適用外であり、自由診療になります。自由診療の場合、患者さんの費用負担は100%となり、それぞれのクリニックで設定された費用に基づいて治療が行われます。
医療ダイエット・医療瘦身で保険適用される条件は?(肥満外来)
基本的に自費診療である医療ダイエットに、保険が適用される条件があります。
しかし、保険適用の痩身治療は医療ダイエット専門クリニックではなく、肥満外来のある一般医院が該当します。さらに詳しい条件について解説します。
高度肥満や肥満による疾病がある場合は保険適用
医療ダイエットの保険適用が認められるのは、高度肥満や肥満による疾病がある人です。肥満の規定数値は、BMI25以上とされており、さらにBMI35以上を「高度肥満」と言います。
またBMI25以上で減量が必要な特定の疾病を持っている場合には、「肥満症」と認定されます。
高度肥満や肥満症の人は皮下脂肪や中性脂肪の割合が高く、糖尿病や高血圧、さらには血管が狭窄し、脳梗塞や心筋梗塞など、命に係わるさまざまな病気を併発しやすいリスクが高い傾向があります。
そのため減量が必要となり、医療ダイエットを保険適用で受けることができます。
医療ダイエットが保険適用となる詳細な条件は以下の通りです。
- BMI35以上の高度肥満の人
- BMI25以上で、減量が必要な疾病を持っている人
※減量が必要な疾病一覧
耐糖能障害(2 型糖尿病・耐糖能異常など)、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症、脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)、脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)、月経異常・不妊、睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群、運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症・手指の変形性関節症、肥満関連腎臓病
保険適用で受けられる治療は限られる
肥満症の人が肥満外来で受けられる治療は限られます。たとえば、食事指導や運動指導、サノレックスの処方、漢方の処方などです。それぞれ詳しく解説します。
①食事指導
肥満外来での食事指導は、管理栄養士から栄養指導を受けます。管理栄養士は、患者さんの生活スタイルや活動量などを把握しながら、1日の摂取エネルギーを計算し、患者さん一人ひとりに合わせた食事を提案してくれます。
②運動指導
肥満外来での運動指導は、余分な脂肪の燃焼や代謝の改善が主な目的です。まずは有酸素運動が主体となり、体に負担がかからないようウォーキングから始めます。また、筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動も併せて行うことで筋肉量の増加が見込めます。これらを組み合わせることにより、中性脂肪値や血糖値、血圧などの低下が見込めるでしょう。
③サノレックスの処方
サノレックスは、BMI35以上の人には保険適応される、厚生労働省が承認した食欲を抑制する薬です。食欲を抑制するのと同時に代謝も良くしてくれるため、一緒に運動もすることで効率的に脂肪などを燃焼できます。また、サノレックスは服用できる期間が最大3か月と決まっており、服用時には口の渇きや吐き気、便秘、睡眠障害などが副作用として現れることがあります。
④漢方の処方
漢方は、患者さんが肥満によって健康に悪影響が起きている場合に、体調に合わせて以下のような漢方が処方されます。
漢方の種類 | 効果 |
防風通聖散 | 食欲抑制や便秘の解消、脂肪燃焼効果も |
防己黄耆湯 | 身体を温めて内臓機能の働きを促進 |
大柴故湯 | 内臓脂肪が蓄積された人の食欲抑制 |
肥満外来(保険適用)料金相場
肥満外来の料金相場は以下のとおりです。
項目 | 料金相場 |
初診料 | 2,000~10,000円 |
サノレックス(1か月分) | 12,000円 |
漢方(必要な時に処方) | 1,500~3,500円 |
保険適用外になる自費診療の医療ダイエット・医療瘦身は?
保険適用で受けられる医療ダイエットの施術は先述のとおりですが、美容クリニックや医療ダイエット専門クリニックでは、自費診療となるもののより豊富な施術を受けることができます。
中にはボディメイクやリバウンド防止に特化した施術もあるため、健康目的で高度肥満や肥満症を脱するだけでなく、外見的なコンプレックスの解消を目指したい方にもおすすめです。
自費診療の医療ダイエットで受けられる具体的な治療・施術を見ていきましょう。
①GLP-1(ダイエット薬・注射)
GLP-1は人間の体内で分泌されるホルモンの一種で、血中の糖分を脂肪に変える働きを持つインスリンを抑制し、血糖値の急激な上昇を抑えます。
経口で服用する「リベルサス」や自己注射で投与するサクセンダが代表的です。
②脂肪冷却
脂肪冷却は脂肪を冷やすことで壊死させる施術です。脂肪細胞は4℃という高い温度で壊死する性質があります。
そのため、ちょうど4℃で一定時間冷却することで、他の組織にはダメージを与えずに脂肪細胞のみを破壊することができます。
一度で施術部位の約20%の脂肪細胞を減らすことができます。
③脂肪溶解注射
デオキシコール酸などの脂肪溶解成分を注入することで脂肪細胞を破壊します。
脂肪冷却よりもより細かく施術が可能なため、フェイスラインなど細かなデザインが必要な箇所への施術に特に有効です。
④ラジオ波
ラジオ波とは30〜300MHzの高周波電磁波のことを指します。ラジオ波治療は、肌に使用できる高周波(電磁波)を用いた施術です。
ラジオ波は、高周波の力で脂肪細胞を振動させ発生した熱エネルギーで体を温めます。
そのため、体の内部が温まることで基礎代謝が上がり、太りにくい体質になる効果が期待できます。
⑤医療電磁波
筋肉に電気刺激を与え、強制的に収縮運動をさせる施術です。高度肥満で自力での運動が難しい方には特に適した施術です。
医療電磁波では医療電磁場装置を使用し、通常のエステ機器や家庭用EMSよりも高い出力で、強力な電磁場を筋肉の深層部まで届けることで、効率的に脂肪細胞をへらすことができます。
⑥食事指導
食事指導は、患者さんの来院ごとに食事内容のヒアリングを実施し、足りていない栄養素などの適切なアドバイスを行うとともに、食事内容を元にダイエット薬の調整も行います。
医療ダイエット・医療痩身の相場感は?
先述の通り、医療ダイエットクリニックでは基本的に全ての施術は自由診療となります。
そのため医療保険は使えず、全額自己負担となります。
また施術も肥満を脱するだけでなく、審美的に「スタイルが良い」という状態を目指すものが多く取り揃えられえています。
そのため、費用相場は期間や施術内容にもよりますが、数万円~長期で取り組む場合には100万円を超えてくる場合もあります。
医療ダイエット・医療瘦身クリニックの施術内容や費用相場等については、下記の記事でより詳しく解説しています。
保険適用の肥満外来に向いてる人は?
肥満外来がおすすめの人は、肥満や肥満による疾病を持つ人です。
肥満は大変危険であり、さまざまな疾病を発症するため、健康になるために痩せる必要があります。
肥満は中性脂肪やコレステロール値が高くなることにより、血管が細くなることや、ドロドロになった血液が血管に詰まることにより、脳梗塞や心筋梗塞などに繋がりかねません。そんな一刻を争う事態の人に対し、保険適用の医療ダイエットは命を守るために必要な存在です。
この保険が適用される医療ダイエットは、痩せてきれいになることが目的ではなく、医師や管理栄養士の管理下で、食生活の改善や肥満や運動の実施により、中性脂肪を減らし、健康な状態に導くためのものであると言えるでしょう。
医療ダイエット・医療瘦身に向いてる人は?
まずは、大幅な減量をしたい人です。
肥満外来とは違って、健康の維持というよりも、美容体重を目指すことや、ボディメイクの観点での施術や治療が可能です。
機械施術によって脂肪細胞に直接アプローチし、患者さんに合わせた内服薬の処方、注射などさまざまな施術を組み合わせて、リバウンドしない確実な減量を行います。
次に、自分の気になる体の部位の脂肪細胞を減らして、リバウンドしにくい体質づくりを行いたい人です。
医療ダイエットクリニックでは、脂肪冷却を始めとする、脂肪細胞自体を減らせる施術が受けられます。
そして、施術とともに基礎代謝も上げることにより、太りにくい体質に改善できます。また、無理な食事制限や激しいトレーニングは行わないため、痩せた後も大きなリバウンドはありません。
医療ダイエットクリニックは、部分痩せや小顔施術などを受けたい人にもとても効果的です。
ハイフや脂肪冷却などの機械施術や脂肪溶解注射を組み合わせて、脂肪細胞を減らすことで、部分痩せが可能です。
また、脂肪溶解注射は小顔施術にも使われており、顔の気になる部分の脂肪細胞を溶解することで、すっきりした小顔に近づくことができるでしょう。
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まとめ
医療ダイエットの中には、医師や管理栄養士の指示の下で肥満を解消するために中性脂肪の減少や血圧、血糖のコントロールを目標に行う肥満外来があります。
肥満や高度肥満に該当する人が保険適用になり、運動の実施や食事指導を受けられます。
この肥満外来は、医療ダイエットのくくりではありますが、肥満を解消し健康になるための外来です。
そのため、痩せてきれいになりたい人のための医療ダイエットクリニックとは、目的が大きく異なることを覚えておきましょう。
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【学歴・職歴】
1992年3月 浜松医科大学卒業
1998年4月 名古屋大学循環器内科入局
2015年4月 医療法人尚豊会みたき総合病院勤務
2022年10月 URARAクリニック銀座院勤務
【所属学会】
日本内科学会
日本循環器学会
日本人間ドック学会
日本抗加齢学会
日本再生医療学会